父親と親権に関する個人的な見解
数日前に見かけたツイートについて、思ったことを書きます。
統計では離婚した夫婦のうち、60年代までは男親・母親が半々くらいの割合で子供を引き取っていたのが、70年代に入るころから母親が子供全員を引き取るのが多数になる。どういう背景があるのかわからないけど。「子供は母親のもの」はここ50年くらいの感覚。 https://t.co/kvZ193NSdn pic.twitter.com/ieJxYeWouc
— INOHARA Tohru (@tukinoha2) 2021年12月5日
件のつーとに添付されている画像を見るに、父親の親権率が下がったのは確かだが、実数だけを見るとほぼ横ばいである。
率で言うと確かに減っている。だが、母数である離婚率が増え、かつその母数である婚姻率が減ったことを鑑みると、単純に昔と今の数字を比べるだけでは答えは出ないのでは、とちょっと思ってしまった私だ。
個人的には、「離婚時に親権を主張した父親と母親の比率」が知りたかったのだが、検索してもうまく出てこなかった。
「子供は母親のもの」と考えるのは、社会なのか、母親自身なのか。それとも、父親もその中に含まれるのか。大いに疑問が残る。
私自身が女性であり、かつ母親であり、夫に不満があるからか、まだまだ「育児をしない父親」「育児のいいとこどりをする父親」の愚痴や不満をネットやリアルで聞く機会は多い。
そもそも、離婚の理由に「夫の家事・育児」に対する不満があるのであれば、現状は当然の結果ともいえる。
私がこの図で抱いたのは、良いか悪いかは別として、「父親は、今も昔も、条件がそろっている、もしくは制約のある人間しか親権を持てないともいえるし、持たないともいえるのでは」との疑問だ。
ここでいう、条件と制約とは以下だ。(あくまでイメージであり、根拠はない)
- 親権を持つ意思がある。
- 育児実績がある。
- 子どもが自分になついている。
- 子どもが就園もしくは就学している。育児に手がかからない。
- 経済的にある程度安定している。
- 激務ではない。あっても、実家からの援助が多いに期待できる。
- 跡継ぎが期待されている。
- 生活能力がる。
- 母親が親権を求めていない。
- 母親に育児能力及び生活能力(家事の実績等)がない。
実数の低さを考えると、全てではないだろうが、いくつかの条件が満たしていなければ、父親には親権が渡らないのが現実なのだろう。
その一方で、母親にはそれらの条件は求められていない。
だが、それが果たして「子供にとって」「母親にとって」幸せなのだろうか?と疑問には思う。
こんな痛ましい事件もある。
上記の事件では、被疑者の母親は、
裁判資料などによると、女性は03年6月、長男を出産した。夫婦関係や生活不安から精神的に落ち込み、強迫性障害とうつ病を発症する。05年には夫と離婚し、生活保護を受給するようになった。
とある。
強迫性障害とうつ病を患い、生活保護に頼らざる得ない状況の中、親権を持ててしまえるのは子供にとっても、そうして母親にとっても「良い選択」だったとは言えないだろう。だが、一方で、嫌らしい表現をすれば、重度の障害を持つ息子の育児を押し付けることができた父親にとってはある意味「良い選択」だったと言えるのかもしれない。
近頃では、「子供の幸せ」を主軸に考え、「金銭面での不安」を理由に離婚をためらう母親を、責める声を耳にする機会は少なくない。
だが一方で、シングル家庭の貧困問題は深刻である。子供に合わせた生活(土日祝日は必ず休み、残業をしない)をしながら、お金を稼ぐハードルはいまだ高い。
そんなことを、つらつらと上記のツイートを見て考えてしまった。