ひとりになりたい、自由になりたい、と思うこと。
「ひとりになりたい」と思うことは、,それほど贅沢な願望なのだろうか??
いや、私は幸運なことに、二人の娘を育てながらも一人の時間を持つことが難しい環境に身を置いていない。
私はとても恵まれている。
家事に育児にと協力的な夫と、口も出すが手も同時に出してくれる両親が身近にいる。義理の両親とも良好な関係を保っている。義理の実家に遊びに行けば上げ膳据え膳、おまけに上の娘が義理の両親に非常に懐いているおかげで、滞在中に私の手を煩わせることはあまりない。
それなのに、思ってしまう。ひとりになりたい、と。
ひとりになって、心置きなく自由な時間を過ごしたい、と。
「たまには私もひとりになりたい。ひとりで寝たい」
ある日、ふと夫に漏らしたら、こう返ってきた。
「一生子供たちと会えなくなってもいいの?」と。
極端に飛躍されたその返答にまず驚いてしまった。そうして、すぐに返す言葉が見つからず、しばし口ごもってしまった。
単なる嫌味だったのだろうか。それとも、特別意味のない、素直な感想だったのだろうか??
日中常に誰かしらと一緒にいる生活。
たとえ一人の時間がもてたとしても、罪悪感と申し訳なさが常についてまわる。
夫や両親からの連絡を常に気にかけながらの病院通いや、美容院。両親に娘たちを見てもらいつつの夕飯づくりや、上の娘用の裁縫仕事。
どれも純粋な一人の時間ともいいがたく、しかも両親や夫の都合に大きく左右もされる。彼らが限界!!と匙を投げ、その貴重な「ひとりの時間」が早まる可能性も大いにある。
夜は夜で、一つのシングルサイズの布団で親子三人、二人の娘に挟まれて寝る毎日。
夜泣きの対応は常に私。下の娘はもちろん、上の子の寝かしつけも基本は私ではないとできない。(もちろん例外もあるけれど)
だからこそ、余計「ひとりになりたい、自由になりたい」と思うのかもしれない。
ひとりになって、したいこと。ひとりでしか、楽しめないこと。
私は、友人が決していないわけではないが(多くもないけれど)、一人で行動するのも苦にならないタイプだ。むしろ、一人を楽しめるタイプの人間だ。
一人で映画も観るし、カフェにも入る。
それ以前に、私の趣味は読書や映画鑑賞など、一人きりで完結できるものが多い。逆に言えば、一人きりのほうが集中して楽しめる種類の趣味でもある。結婚・妊娠が遅かったことも大きいかもしれない。共働き時代も夫とは基本休日が合わなかったこともあって、一人で過ごす時間は長かった。
一人きりで過ごすことに慣れすぎてしまった自分。
一人きりで楽しむ趣味を持ってしまった自分。
子供とともに楽しめ、かつ後ろめたさやストレスを感じない趣味を妊娠中に持てなかったことを、少し後悔している。