日々、思うこと、考えること。

子育て中に、考えてしまうあれこれ。結論の出ない、個人的で偏った見解の考察が主です。

女の子と身長「背の小さい女子はかわいい??」

私は背が低い。けれども、ぎりぎり150cmあるので、ものすごく低いわけではない。学生時代、背の順では前から2番目が私の定位置だった。(ちなみに、同年代の平均身長は158cmである。総務省調べ)

 

上の娘も、平均から大きく下に外れている。

 

娘は1歳半検診の時より、「身長が低い」という理由で総合病院にかかっている。

そうして一年ほど前から、成長曲線の伸びが、一般的なそれよりも緩やかであることを理由に、本格的な治療を検討すべく様々な検査をしてきた。

  • 血液検査
  • DNA検査
  • レントゲン検査
  • 成長ホルモン分泌量検査
  • MRI

結果、成長ホルモン分泌不全による「低身長症」とう病名が付き、治療の対象となった。

ちなみに、「低身長症」の原因には「成長ホルモン分泌不全」のほかに

染色体の異常

SGA性低身長症(出生時に小さく生まれてきた場合)

骨・軟骨の異常

主要臓器の異常

心理社会的原因(愛情遮断症候群など)

病気とは考えにくいもの(体質性低身長、家族性低身長症、思春期遅発賞など)

がある。【参照】https://ghw.pfizer.co.jp/slow/qa_02.html

 

現在、毎晩私たち親が娘の体に成長ホルモンを注射している。この注射は15歳ぐらいまでほぼ毎日続けることになっている。

 

小学校の先生をしている友人から聞いたのだが、意外と「成長ホルモンの注射」をしている児童はいるらしく、さして珍しい病気ではないらしい。

 

とは言え、初めてその提案を医師から受けた時は、とても驚き、そうして動揺してしまったのは事実だ。

夫、両親、夫の両親と幾度となく話し合った。治療は任意であり、命にかかわることではないので、医師の基本姿勢は「ご両親の判断にお任せします」というものだったからだ。

 

私は、治療におおむね賛成だったのだが、私以外の人間は、思いのほか消極的だ

った。

理由は、母親である私の背が低いから。

そうしてもう一つ、娘が女の子であるからだった。

 

目次

 

女の子は、背が低いほうがかわいくてよい

他に言いようがないから、なのかもしれない。

あからさまに「背が小さくてかわいそう」とは言えないのだから、普通の反応でもあるのかもしれない。

 

とは言え、私が、娘の治療を始める前、娘の低身長についての悩みを、先輩ママ、同級生ママに話度に必ず返ってくる回答がある。

それは「だって、○○ちゃんは女の子だもん。気にすることないよ」

というような、「女子は小さいほうがかわいくてよい」という趣旨のコメントである。けれども、私はこのような考え方に違和感しか抱くことができない。

 

そうして、次に続く言葉に対してもだ。 

 

 

「男の子だったら、かわいそうだけどね」

不思議と「男の子は小さいとかわいそうだ」という趣旨の返答も同時に帰ってくるパターンは多い。

私自身、身長にコンプレックスを抱えており、「背の小さな女の子はかわいくよい」という価値観を持っておらず、かつ自分の背が小さかったことによるメリットを人生の中で享受した経験もない。

それゆえに抱いた違和感だった。

 

女性が低身長であることが性的魅力??として異性から求められる面がある一方、男性が高身長であることが性的魅力されるのもまた事実だ。

 

けれども、高身長の男性の中にも、私と同様「背が高い男の子はかっこよくてよい」という価値観を持っておらず、かつ自分の背が高いかったことによるメリットを人生の中で享受した経験のない男性も、少なからずいるのではないだろうか??

 

 

治療を決めた理由

当然だが、治療の決定権は私たち夫婦にあった。けれども夫は、「主に負担がかかるのはポン助だから」という理由で、私にその権利を委ねた。

 

私はもとより、治療に積極的だった。

背が低い事による不利益を自覚する機会は少なかったが、確実に存在することは私は知っていたからだ。

  • 職業選択の制限があること。(CAや警察官など、身長に制限のある職業があるため)
  • スポーツをする上で、身長が低い事が不利に働くケースがあること。
  • 日常生活において、何かと不便があること。(高いところにあるものが、ワンアクションでとれないなど)

とは言え、夫をはじめ、両親、夫の両親に納得してもらったほうがよいのは確かだ。

 

担当医に確認したところ、ホルモン分泌不全による低身長症の場合にかぎるのだが、治 療を行わないことによって

  • 認知機能への影響
  • 体型への影響(いわゆる、きゅーぴーちゃん体型になる)

があるというのだ。夫と両親、そうして夫の両親にその旨伝えたところ、二つ返事で了解が取れた。

 

 

「背の小さい女の子はかわいい」という思い込みがもたらすもの

夫と両親、夫の両親が治療に消極的だった理由には、確かに治療の副作用や、治療自体に対する感覚的な嫌悪感もあったようだ。

けれども、一番の理由はやはり「女の子の背が低くても問題ない」「背の小さい女の子はかわいい」という価値観があったからだろう。

 

そもそも、夫たちは「治療をしなかった場合のデメリット」を医師に問うことさえ考えてはいなかった。

 

 

娘の今後は、娘自身と私達夫婦の努力にかかっているのだろうけれども。

結果娘は、「かわいだけの背の低い、ちょっとおばかな女の子」になる確率が、少し減ったことになった。

 

女の子だから

男の子だから

という些細な思い込みの及ぼす身近な出来事に、改めて驚かされている。