「黄色い帽子のおじさん」になりたい。
最近の下の娘のお気に入りは、TVアニメの「おさるのジョージ」だ。
NHKの教育チャンネルにて、毎週土曜日の朝8時35分から放送されている。
あらすじはこうだ。(NHK公式サイトより)
ジョージは しりたがりやの かわいい こざる。
なんでも 知りたくて なんでも やってみたくて しかたがありません。黄色い帽子のおじさんと一緒に住んでいるジョージは、好奇心いっぱいのこざる。
身のまわりにあるもの、起こること・・・なんでも知りたいことばかり。
何でもさわって、しらべてみたくてたまりません。
お鍋でゆでて柔らかくなるものは? 固くなるものは? 迷子になった時、元の場所に 戻る方法は? 包装紙の中には何が?ついつい手を出して、騒動を起こしてしまいます。 でもジョージはいつも楽しそう。失敗してもすぐにニコニコ。またいろいろなことに挑戦します。「おさるのジョージ」は、世界中で半世紀にわたって、親から子へと親しまれてきた 人気絵本「ひとまねこざる」「おさるのジョージ」(H.A.レイ、M.レイ 原作)をもとに 制作されたテレビアニメです。子どもたちは、ジョージのように、身のまわりのあらゆる ことに対して、好奇心をいっぱい抱いています。このアニメは、ジョージの冒険を通して、 子どもたちに 「観察すること」 「原因を考えてみること」 「試してみること」 など 科学的な考え方を学んでもらおうという番組です。
「おさるのジョージ」は、大人の私が見ていてもとても楽しめるアニメだ。ジョージが何か失敗しても、それを挽回すべき様々な努力と工夫をする。その工夫の仕方も、非常に発想力豊かなのもよい。
周りの人間も、そんなジョージの姿を優しいまなざしで見守り、何が起こっても頭ごなしに怒らない。結果、良くない、好ましくない状況が出来上がっても、誰も感情的に怒らない。
また、多様な人種が織り交じり、男女の差別・区別のない世界観もよい。
アニメの、作り物の世界だから成り立つのだけれども。
悪者のいない世界の中で、ジョージが伸び伸びと成長していく姿が、一人の母親としてとても心地よく映る。
そうして、なによりジョージと一緒に暮らす「黄色い帽子のおじさん」の懐の深さだ。
相手がおさるだからなのか。
おさるとしては、子供以上に自立しているからなのか。(一人で寝て、歯も磨き、お風呂にも入り、ご飯も食べる)
他に比べる相手(おさる)がいないからなのか。
生活を共にする人間のパートナーがいないからなのか。
立派なおさる(経済的・精神的自立)を目指すという、将来的な目的がおさるには存在しないからだろうか。
泥だらけの体で部屋中を歩き回っても。
部屋いっぱいに、リサイクル品(という名のガラクタ)を並べても。
私物や共同の物を勝手に目的以外のことに使われても。
冷蔵の中の果物や野菜で実験されても。(オリジナルジュースを作る目的で)
「黄色い帽子のおじさん」は決して怒らない。
「黄色い帽子のおじさん」は怒らず困るのだ。
私も、怒る前にはいつも困っている。
困るだけで終われば良いのだけれど、その「困り」が私の場合「怒り」に変わってしまう。
その違いは、何なのだろうか??
夫は言う。
「フィクションの世界の架空の人間なんだから」と。
でも私は、「黄色い帽子のおじさん」になりたいと思う。