妊娠・育児中の不自由と被害意識
気になるまとめを読んで、いつもの癖で色々考えてしまった。
妊娠中(悪阻もあり)の妻が、夫が飲み会を減らさないことに腹を立てて、おなかの赤ちゃんへの影響も承知のうえで、自暴自棄になり夫と同じようにお酒を飲んだという話だ。結果、殆ど吐いてしまったようではある。
妊娠中はとかく心身ともに不安定になりやすい。投稿主さんには、ぜひとも病院に行って適切なカウンセリング、治療を受けてもらいたいと、心から願う。
目次
- 妊娠中を持つ夫の正しい行動と、正しい周囲の反応と対応
- 夫の飲み会や趣味に寛大な妻の社会的評価
- 妊娠中・育児中の不自由を解消するためにできると、とは。
- 自分が不自由しているのだから、相手も不自由でいて欲しい、という本音
妊娠中を持つ夫の正しい行動と、正しい周囲の反応と対応
妻の妊娠、体調不良、育児負担関係なく、飲み会や趣味の集りに行く夫は多い。
その背景には、誘う同僚や上司、参加を当然と思っている職場の体質や会社方針などの問題があるのだろう。
行きたくないけれども、行かざるを得ないのか。
自分の意思で、行きたくて行っているのか。
ケースバイケースではあるのだろうが。
どちらにせよ、周囲の人間が友人が世間が親が
「妻が妊娠中、育児中の飲み会や趣味は、極力控えるべきだ」
と言う共通意識を持たなければ、このような不幸な事例はどの家庭でも程度の差こそあれ起こりえるのではないか、と個人的には思えてならない。
夫の飲み会や趣味に寛大な妻の社会的評価
私個人の的偏ったイメージも大いにあるのだろうけれども。
夫の飲み会や趣味に寛大な妻を、多くの人はプラスに評価しがちだ。と同時に、夫の飲み会や趣味に寛大な妻は、とても堂々としていて自身に満ち溢れた言動をとる人が多い印象が、私にはある。
印象深い思い出がある。
私がかつて正社員として働いてい時の話だ。当時の上司(女性)がお酒の席でこんな話をしていた。
「男のお酒や趣味に目くじら立ててはだめよ。そんなことしてたら旦那さんや彼氏が逃げていくわよ」
一字一句同じではないが、そんなニュアンスの持論を上司は熱をもって展開していたのだ。そうして、そんな彼女の持論に、同席していた女性社員の皆が皆、色々な含みを持ちつつ同意していた。
もっとも、発言者が上司だったから、というのはあったと思う。とは言え、このようは意見を持つ、社会的地位・信用を持つ目上の女性が身近にいるという事実は、やはり印象的だった。
その後、私自身が妊娠・出産を経験しあらためて「夫の飲み会と趣味」について、色々思う出来事が数々あった。
私が抱いた素直なマイナス感情を漏らすと、一部の腹の割った会話のできる友人以外の人は、表面的には夫にも理解を示すコメントを返されることが多かったように思う。
驚いたのが、件の女上司だけでなく、私の両親、夫の母親(父親はノーコメント)もまた、同じ意見だったことだ。
いや、全くの同意でもあり、「諦め」でもあったのだろう。今現在、悠々自適の生活をしていることも大きいのかもしれない。数か月ごとに旅行に行き、月に一回は友人達と会食をする毎日だ。
充実した現実ありきの、過去の肯定でもあるのかな、とも思う。
どちらにせよ、声を大にして私の夫の飲み会や趣味を非難することはしない。
もっとも、私の母は現役引退後の自分の夫(つまり私の父)の趣味を、時折こき下ろすことがある。父が家事を全くしないからだ。母の本音が気になるところだ。
妊娠中・育児中の不自由を解消するためにできると、とは。
今回の彼女のように、「夫と同じように、自分も行動しよう」という発想は飛躍しすぎだろう。自身の体調の変化やおなかの中の赤ちゃんへの影響もある。産後も、母乳育児であればなおさら、自由はない。それは事実だ。
とは言え、できる事はなくはない。時間をセーブする、自宅でできるものに変える、などやり方はある。そうして、一番手っ取り早い方法はやはり、パートナーの理解ある協力だろう。
けれども現実はどうだろう。
他人を変えることはできない、変えることができるのは自分だけ
自分の機嫌を他人に取ってもらおうとしない、自分の機嫌は自分でとる(ANZEN漫才みやぞんさんの言葉より)
頭ではわかっていても、いかんともしがたいこの不自由間に対する被害妄想的なマイナス意識は、身近な夫の妻の気持ちに寄り添った行動にかかっているのかな、と思えてならない。
自分が不自由しているのだから、相手も不自由でいて欲しい、という本音
相手(夫)に不自由を押し付ける、というのは違うのかもしれない。けれども、自分が不自由になるためには、相手に不自由を強いてしまわざる得ないことがある。
目の前に自由にしている人間がいるからこそ感じる不自由というのもあるだろう。
真偽はともかくとして。
世の中にはきっと、
「週に4回は飲み会に行かないと、仕事をやる気になれない」
「休日は毎日5時間は趣味に時間を使わないと、リフレッシュできない」
と信じて疑わない人がたくさんいるのだろう。
それは、私が「一人でお風呂路に入らないと、入った気にならない」「一つの布団に一人で寝ないと、寝た気にならない」
という主張と同じなのかもしれない。
お互い話し合うことが一番なのかなとは思う。
思うけれども、きっと折衷案ではお互い満足できないのだ。現実は。
だから話し合いも難しい。