乳児用液体ミルクと、「もったいない」という感覚。
私は幸運にもほぼ母乳で済ませることができたので、外出時のミルクの心配の経験があまりなかった。
授乳自体も、基本車移動なこともあり、車にもどり、ちょっと洋服やブランケットで隠せば、慣れも手伝ってどこでも授乳が可能だったこともあり、大変だ、手間だとの印象もない。
そのため、外出時に哺乳瓶と魔法瓶、粉ミルクを持参し、その場で都度作ることとの大変さを私は想像することしかできない。
けれども、乳児用液体ミルクがどうしてないのだろう??と思ったことはあった。存在しないのではなく、海外ではすでに実用化されており、日本では認可が下りなかっただけのようだ。
ただし、正しい使用方法として、「一回で飲み切ること」が大原則のようだ。雑菌が繁殖してしまうためだ。
一瞬、「開封後、別容器に移した残を再度密閉し冷蔵すれば、いけるのでは??」
と思ったが、NGらしい。
こう思ってしまうのは、私が「ケチ」だからだろう。
上の娘の出産時、入院中の間だけミルクと母乳の混合だったが、10ml飲まないこともざらにあった。残ったミルクは流しに捨て、空になった哺乳瓶は指定の場所に戻すのだが、正直「もったいないなぁ」という気持ちがあった。
さすがに再利用とまでは思わなかったが、哺乳瓶の洗浄と消毒、ミルクの作成の手順を考えると、手間だなという感想を持ったのを今でも覚えている。
娘が生まれてから、こと食に関して「もったいない」と思うことが増えたように思う。
そもそも、出産前は「もったいない」と思えるシチュエーションに遭遇すること自体が少なかった。
他人の食べ残しを捨てることも、他人の食べ残しを食べることもないからだ。
けれども、子供を産んでから、状況は一変した。
子供の適量を用意することはとても難しいことだ。少なめに用意をして、お替りで、お代わり分を丸々残されることもある。
ベビーフードが余る。
食事が余る。
おやつが余る。
飲み物が余る。
その残り方も、ほんの一口食べただけ。見た目がとてもきれいな食べ残しだったりすることも多い。
人によっては、全く手を付けなくても残された食べ物は「ごみ」として、気持ちよく捨てるのだろうけれども。
私は、心理的な抵抗を感じつつも「もったいない」に負けて、しぶしぶ食べてしまいがちだ。
とはいえ、言い方を変えれば「残飯」である。気持ちのいいものではない。
けれども、家庭内で、母親が子供の食べ残しを食べる話は、よく耳にする。
外食先でも、母親が子供の食べ残しを食べる姿を目にするのは、普通だ。
周囲の人間も、そうすべきと積極的に考え、違和感を覚えることすらしない。
逆に、「とてもよいこと」だと思っている人もいる。
そう言う「もったいない」文化が根底にある日本だ。
飲み残した幼児用ミルクをいかに罪悪感を抱かせず、事務的に「捨てる」ことができるか。
いかに「捨てざるを得ない」仕組みを作るか、が重要なのかもしれない。
いや、ブックマークのコメントにもあったが、「飲み残しは、大人が責任を持って飲みましょう」との一文を乗せるべきか??
「開封後、○○分以内だったらセーフ」なんて言う、都市伝説的なローカルルールが広まらないことを祈るばかりだ。