日々、思うこと、考えること。

子育て中に、考えてしまうあれこれ。結論の出ない、個人的で偏った見解の考察が主です。

公共の場での、第三者視点の「ワンオペ育児」

先日、ちょっと興味深いyahooニュースを読んだ。
俳優の的場浩司さんが、公共の場の新幹線で目にした親子に関する記事だ。

二人の子供が愚図っているのを尻目に、子供の相手は母親任せで、転寝したりスマホをいじったりとマイペースな父親に苛立ちを覚えたエピソードが紹介されている。

 

コメント欄では、的場さんと同様父親に対して批判的な意見ばかりがずらりと並んでいる。

私自身も、コメント欄での意見と同様、 父親に対する強い嫌悪感を抱いた。

 

 

けれども、と私は一歩引いて考えてしまった。

我が家では、割とよくある光景だな、と。

夫が仕事で不在の時はいざ知らず、例え夫が家にいても、自分一人で二人の子供の相手をするのは、ままあることだ。

 

夫の言い分としては、

  • 普段仕事をして疲れているから。
  • 帰宅したばかりで、お風呂に入っていないから、食事をしていないから。
  • 出勤の時間が迫っているから。
  • 妻である私が仕事をしていないから。
  • そもそも、子供たちが寄ってこないから。
  • 自分が相手をしても、泣き止まないから、機嫌を直さないから。

などの正当な理由が存在するのだろう。

 

何より、自分(夫)が不在の際は、基本的には妻である私が一人で二人の子供の相手をしているのだ。

 私個人の感覚ではあるが、大人一人で未就園児を含む二人以上の子供の相手をする場合、時に大人にとっても子供にとっても大きなストレスになる。

そうして、大人のストレスは子供に向けられがちになり、子供のストレスは大人に向けられがちになる。

けれども、そのリスクを承知のうえで、「ワンオペ育児」が日々成り立っているのだ。夫にとって、イライラする私も、構ってもらえなくて愚図る子供たちも、また日常なのだろう。

夫自身が、「自分に余裕がなければ、わざわざ子供相手をする必要はない」と考えても仕方がないのかもしれない。

 

 

また、公共の場においては、上記のような家族内での諸事情は可視化されない。故に、単純に育児に参加しない父親への批判が集中する結果となる。

 

もし、件のニュースの家族の背景として。

  • 妻が仕事をしていない。(専業主婦である。もしくは育児休暇中である。)
  • 夫は新幹線の乗車前まで仕事をしていた。
  • 夫婦間で、家事・育児と仕事の役割分担が徹底されており、お互い納得している。
  • 夫の年収が極端に高い。

などが知らされていたらどうだろうか??

単純に批判コメントばかりが目立つ結果にはならなかったのではないだろうか??

子供や妻の負担は変わってはいなくとも。

 

 

 

さて、夫の実家でも、私の実家でも、夫が何もせず(ソファーで転寝していたり、スマホを弄っていたりで)、私一人で二人の子供の相手をするのもよくある光景だ。

 

そんな時、私の両親はともかくとして、夫の両親も、決して夫を咎めることはしない。逆に「疲れてるんだね」と優しい言葉をかけるだけだ。

 

我が家の場合は特に、私が専業主婦であるせいか、無言の「夫を、父親を労わってあげなくては」的な圧を、様々シーンで私が一方的に感じることは多い。

きっと、私の被害者妄想的な考え方の癖も相まっているのだろうけれども。

 

想像ではあるが、夫は第三者から面と向かって「もっと子供と遊んであげろ!!」と注意されたことはないのではないだろうか??

 

けれども、冷静に子供第一で考えてみたらどうだろう。

子供の目線でみれば、「目の前に、寛いでいる大人がいるのに相手をしてくれない状況」は、ものすごく矛盾しているし、面白くないよな、とも思うのは、私が専業婦の母親だからだろうか??

 

 

難しいところで、育児においては特に、子供の利益の先に親の利益、強いては母親の利益があったりする。

だからこその、「親を助けましょう」なのだろうけれども。

 

社会は「親が楽をしている」ことは許さないし、「楽をしている親」には優しくない。

いや、許されないのは「育児において楽をしている母親」だけかもしれないけれども。