子供の意見と、親の主義・好み・願望の折り合い。
洋服の衣替えについて、先輩ママからこんなアドバイスをされた。
「子供の洋服も親が勝手に捨てるより、子供と一緒になって捨てる服を選んで、捨てるときは”今までありがとう、さようなら”の儀式をするとよいよ」
けれども、実際やってみると非常に難しく、結果
- 穴の開いた服
- シミの取れきれない服
- レース部分がほつれた服
- 毛玉だらけの服
- 所々ラメやビーズ?が取れた服
- サイズアウトし、かつ全体的にくたびれた服
など、「思い出のある、大切な服だから」とほとんど捨てられなかった。
今日も、膝に小さく穴が開いた服を娘は率先して選び学校へ向かった。
もっとも、きれいに穴をふさげばよいだけの話だが、私にはその技術が悲しいかな、ない。
穴をアップリケで隠しても、すぐにそのアップリケが取れてしまう。そのアップリケを手縫いで補強すると良いらしいが、手縫いの針仕事が苦手な私は、その仕上がりの悪さからあまり気が進まず、現状穴を見て見ぬ振りをしている。
ちなみに夫は、「子供の服の穴や汚れなんて、誰も気にしないよ」とのスタンスで、これまた見て見ぬ振りをしている状況だ。
さて、子供服選びについて、しばし
「親の意見は極力排除すべきだ=子供の意見をできるだけ尊重すべきだ」
との意見を時折目にする。例えばこんな意見だ。
子供の服の選び方に限らない。
ありとあらゆる場面において、子供の選択肢から「らしさ」「こうあってほしい」などの親の主義・好み・願望を排除はできない。
できないのが大前提であって、現実はその中で「できるだけ」子供の意思を尊重するのが現実だ。
その「できるだけ」の判断基準にはやはり親の主義・好み・願望が影響してくる。
服の選び方一つとってみても、行く店、価格帯、服の生地、デザイン、機能性等の口出しを親が全くしない、というのも難しい。
かつて幼稚園の先生からは、娘の服装についてこんなアドバイスを受けた。
- 出来ればポケットが付いた服が望ましい。(移動ポケットは遊具で遊ぶ際に引っ掛かって危ないから禁止)
- スカートの下には、レギンスを履くのが望ましい。(下着が見えないように)
- もしくは、ズボンが一体となったスカートやキュロットが望ましい。
また、ママ友からは
- シーズンごとにシリーズが変わるキャラクター(プリキュアや仮面ライダー)は避けたい。
- キャラクターもの(サンリオやディズニー)は、自分の好みじゃないから、割高だから避けたい。
- ピンクの服、白い服は、汚れが目立つから、アウターとしては避けたい。
- トイレの際手間取るから、おむつが取れたての時期はズボンは避けたい。
- ひらひらした服は自分の趣味ではないから、積極的には買いたくない。
等の声を聴いたことがある。
私自身も、沢山のお下がりが送られてくる中、できれば新しいものは買わずその中で選んで欲しいとの本音がある。
けれども、お下がりの服にはデザインと色合いの傾向があり、娘の好みとあわずそのままお蔵入りのパターンも多いのが現状だ。
自分がまだ子供の頃、時代と、親の性格もあって、服を買う際自分の意見を聞かれる機会すらなかった。
小学生時代は特に、風邪を引いた子以外は長ズボンを履いて位はいけない謎ルールが存在していたのも手伝って、この時期は「母の手作りのスカート」+「デパートで母が勝手に買ってきたトレーナーまたは、お下がりのトレーナー」が定番だった。スカートの生地は母と一緒に選ぶ時もあれば、余り物、貰い物の時もあった。デパートで買ったトレーナーは、ある時が付いたのだけれども、どれも同じブランドだった。母が好きだったらしい。
母が用意する服が嫌いだったわけではない。
ただ、選ぶ自由がないが故の「好きでもないけれども、嫌いでもない」ではあったように思う。
だから、娘の服を選ぶ際いつもとても悩む。
「娘の意見を尊重してあげたい」との気持ちと「TPO、全体のコーディネート、季節感、服の状態(穴が開いていないか、汚れていないか、くたびれていないか)、機能性」そうして「私の好み」を考慮したい気持ちとで、いちいち悩んでしまう。
一方で、
「子供の服装なんて、誰も見てないよ」
との夫のような意見を持つ人もいる
そ声に、私の心はいつも揺れている。
子供を心から信じてあげる勇気が欲しいな、とつくづく思う。