自分を信用しない。
「自分を信用しないようにしてるんだ。」
そんなママ友の言葉が忘れられずにいる。
彼女は、自営業の旦那さんと一緒に働く3児のママだ。
忙しい彼女だ。親しく話す機会は少ないが、時折交わす会話の中から、時間にも持ち物にもきちんとしている印象があった。
ある日の出来事だった。
珍しく、
「忘れ物(お釣りの出ない集金のお金)をしたかも!!」
と一瞬慌てたママ友が、思い出したように手帳をカバンから取り出し、そこに挟まれた封筒を見つけた際のセリフだ。
ママ友曰く、
「基本自分を信用しないようにしているから、言われたその日に準備して持ち歩いてたんだよね」
とのこと。
なるほど、と妙にうなずいてしまった。
「後でやろう」
「覚えておこう」
「ぎりぎりの時間で間に合うはずだ」
と思えるのは、
「後々まで自分が覚えていられる自信」
「時間通りに事を進める自信」
があるからこそだ。
これらの過剰な自信こそが失敗の元なのだ。
そんな自分への戒めを端的に表してくれたのが、「自分を信用しない」だった。
- その場でやる。
- 帰宅したらすぐやる。
- その日にやる。
- その場でメモをする、メールにしてもらう、など文字にして記録に残す。
- カバンの中に入れて常に持ち歩く。
- いつも持ち歩くもの(鍵や携帯)を入れておく引き出しや、カバンの近くにテープで張っておく。
- 洋服のハンガーに一緒に引っ掛けておく。
- 使用済みのものをカバンから、ポケットから出したら、新しいものをカバンやポケットに入れる。
- 事前に準備する。
- 買い物リスト、準備リスト、行動リストを紙に書きだす。
至極当たり前でもあるのだろうけれども、これらが徹底できていなかった私だ。
だからこそ、意識して「自分を信用」せずに、ミスを防ぐためにもその場で対処するよう、今更ながら心がけている。
「自分を信用しない」と基準が明確になったからこそ、対処方法も明確になったのかもしれない。
「失敗したらどうしよう」と焦り、不安に思う気持ちが、「自分を信用しない」と決めてから、「失敗を防ぐためにこうしよう」との前向きな気持ちに変わったのだから不思議だ。
「気を付けよう」だけでは、私は事前準備を徹底できなかった。苦手だったし、意識しきれなかった。
けれども「自分を信用しない」と考えるようになってから、事前準備が苦ではなくなった。
自分でもこの違いを説明はできないのだけれども。