「ママに一人の時間を作ってあげましょう」という言い回しに対する違和感
「育児に疲れているママに一人の時間を作ってあげましょう!!」と言うアドバイスをパパ向けに発信することは多い。
けれども、「仕事に疲れているパパに一人の時間を作ってあげましょう!!」と言うアドバイスがママ向けに発信されることは少ない。
仕事は父親、家事・育児は母親。父親の家事・育児はあくまで手伝い。休日に心と体を休めることも仕事のうち。時代錯誤だが、そう思っている父親(そうして母親自身も)が(意識的、無意識に関わらず)多いからこそのアドバイスなのだろうか??
とは言え、父親は日々遊んでいるわけではなく仕事をしている。
では、なぜ多くの母親は、父親と母親では、圧倒的に父親のほうが一人時間が長いと思っているのだろうか??
おそらく多くの父親は家の外で仕事をしていて、仕事をしている時間(通勤時間も含めて)も一人の時間とカウントされているから、というのも理由の一つだろう。
休日も、家事・育児にタッチすることなく、好き勝手動きやすいから、と言うのも理由の一つだろう。
仕事に付随した「飲み会」などの「子供抜きのイベント」の頻度も多く 、それらの「仕事なのかプライベートなのかわからないグレーな外出」も「一人時間」とカウントされているから、というのも理由の一つだろう。
また、「仕事をしていて疲れているパパは一人の時間が必要である」と言う社会や世間からの無言の圧力の影響も大きいように思う。
私が感じる違和感
私は、以前からこの言葉を耳にするたびに、とても魅力的に感じる半面、モヤモヤもしてしまう。
一人の時間はとても大事だ。特別、一人で純粋な趣味や休息のために外出するための時間はもっと大事だ。
けれども、言葉の揚げ足取りになってしまうのだけれども、この「作ってあげましょう」と言う表現がとても上から目線で、恩着せがましく思え、私はとても嫌いである。
夫婦は対等だ、と思う。そう思いたい。
けれども、「作ってあげましょう」という表現の中には、「パパがわざわざママのために、好意で作ってあげている」という風なニュアンスを、どうしても私は受け取ってしまう。
「本来なら自分(パパ)が持つべき自由な時間を、ママにも分けてあげましょう」
そんな男性側の本音が見え隠れているように、ひねくれている私は感じてしまう。
そこには、夫婦として対等な関係ではない、主従関係に似た、上下関係のようなものが成り立っているように、思えてしまうからだろう。
我が家の場合、夫の都合(基本休日はほぼ毎回一人で半日近く外出するので)がつく場合のみ、突発的に一人時間が生まれる。たいてい、夫は子供たちを自分の実家に預け、自分は一人で遊びに行ったり、昼寝をしたり、床屋などの用事を済ませに行ったりすることが多いようだ。
義理の両親に迷惑をかけることが前提で、かつある日突然降って湧いたようで作られる私の一人時間は、まさしく夫が私に「作ってあげている」ものだ。だからこそ感じる違和感でもあるのかもしれない。
夫にとっての、私にとっての、一人での外出
夫の言い分では、仕事で疲れているから、心と体のリフレッシュのために一人時間(趣味のための時間)はどうしても必要だという。また、夫の友人、会社の上司(プライベートでも親しくしている)からの趣味の誘いにこたえたい、という理由も大きいようだ。そのため、かなりの頻度で一人での外出を楽しんでいる。
一方で私にとっても、心と体のリフレッシュのために一人時間を持つことはとても重要だと思っている。
けれども、家事や子供関係以外の理由で、純粋な一人での外出時間を持つことは少ない。そもそも子供抜きで友人から遊びに誘われることもないので、自分の体一つで外出しなければならないシチュエーションになること自体が、めったにない。
もしかしたら、夫からしてみたら「やむ負えない事情で一人で外出しなければいけない」場面が少ないがために、そもそもその必要性と重要性がわかっていないのかもしれない。
私が人に子供たちを預け、一人で外出するときにできるだけ心がけていること。
私が一人で家事や子供以外の理由で外出するとき、できるだけ心がけていることがいくつかある。
- 子供たちが二人とも寝ていること。(深夜限定、自分の睡眠を削らなければいけないでデメリットあり。下の娘の夜泣きの対応があるため、帰宅時間のリミットが深夜0時と決まっている)
- 子供たちのどちらかが寝ていること。(昼間限定、寝かしつけ私大のため、出発時間を自分でコントロールすることが難しい)
- 子供たちが比較的おとなしい(機嫌がいい)こと。(子供たちの好きなテレビ番組が放送されている時間帯であったら、なおよし)
- 子供たちを預ける人(夫、両親、義理両親)の都合がよいこと。
- 食事時は避けること。もし食事が必要な場合は、食べるものをできるだけ自分で用意すること。
- 夕食、お風呂に間に合うように帰宅すること。
- 出発の時点で、できる最低限の家事は済ませておくこと。
これらは、自分が育児を「大変だ」「疲れる」と思っているからこその、できるだけの配慮だ。
けれども、当然のことながら、夫にはそんな配慮は必要ない。それは、一人で家事と育児をすることは、妻である私にとっての日常の延長でしかないからだ。
けれども一方で、夫や、両親たちにとってはそれらは非日常だ。それ故、相手の事情を大いに汲まなければいけない。
自分が仕事をしておらず、かつ「育児」も労働だと思っている私にとって、100%自分のリフレッシュのために子供たちを無償で人に預けるということに、少しの後ろめたさがあるからだ。
もしも、「ママにも一人の時間を作るべきだ」「ママにも一人の時間を作りなさい」と誰かが夫にアドバイス(もしくは命令)してくれたらどうだろう??
父親教室や、母親教室。妊婦検診や、生後1か月検診。父親が医師や助産師などの専門家と接するはゼロではない。そこで、彼ら彼女らから公式にそんな話をしてくれたら・・・・・・
私も、もっと堂々と心置きなく一人時間を満喫できるのかもしれない。