話し合いが苦手なわけ。
私は話し合いが苦手だ。
理由は簡単で、対等な話し合いの結果、自分の意見・主張が相手に聞き入れられ、かつ自分の要望が相手に正確に実行された経験が極端に少ないからだ。
もっとも、自己肯定感が低いがゆえの、一方的な思い込みも多分にあるのだろうけれども。
話し合いと言う名の、
「自分の欠点、努力不足、落ち度を指摘される場」
「自分だけにとっての改善策を提示される場」
のイメージが先になってしまう。
非常に独りよがりで自己中心的だなとは思うが、
「自分は変わらず、相手が変わる」
のが、自分にとっての一番理想的で簡単な解決策だとの思い込みがあるからだ。
おそらく、自分はいっぱいいっぱいで、変わりたいけれども変われない、変わり方が自分でもよくわからない。
変わりたいけれども、変わることが自分にとって大きなストレスと物理的負担をもたらすため、自分だけ損した気分になるからできるだけ避けたい。との思いが強いのだと思う。
もし、自分がストレスなく「変われる」のであれば、そもそも話し合いをしよう、話し合いが必要だとは思わないだろう。
一方で、「相手を強制的に変える」のもまた難しい。
「環境を整え、相手をその気にさせる」のは可能だが、その難易度は非常に高い。
だから、「話し合いをしない」「話し合いを避ける」「話し合いを先延ばしにする」という安易な選択肢を私は取ってしまいがちだ。
それ故、いつも悩みやモヤモヤ、愚痴、問題は解決されず、堂々巡りを繰り返す。
もちろん、「お互いの妥協案、折衷案を見つける」が真の正解なのは理解できる。
でも、それができない。やり方がわからない。相手を説得する方法がわからない。
いや、頭ではわかっているのだ。
でも、言葉にできない。手紙やメールとして文字にして、相手に見せるのが怖い、その勇気が出ない。
以前から気になっていたコミック「夫の扶養からぬけだしたい」のレビューの中に耳の痛い一文があった。
感想なんですが、とにかくお互いにギスギスしていているし、どっちもどっちな感じでイライラする。「君たち夫婦は子供ができてから生まれるまでの間、何の話し合いもしなかったんですか?」っていう違和感がすごい。なにやってんのこの人たち。
このコミックは以前から興味があった。お金を払って全てを読んではいないが、無料分を読んだり、広を目にしたり、レビューを読み漁ったりはした。
だから、好意的な感想と、批判的な感想と両方あるのもよく知っている。
私自身は、主人公の妻であるももこと似た立場(子育て中の専業主婦)なので、気持ち的にはももこ寄りだ。
ももこが夫を悪者にしたくなる気持ちもよくわかる。
卵が先か鶏が先かわからないが、自分をないがしろにする(しているように見える)人間を、尊重し大切に思うのはお互い難しいだろう。
それでも、尊厳を踏みにじる言動を家庭と言う名の密室内で繰り返す夫のほうが分が悪いのでは、と個人的には思えてならない。
正直、自分を下に見ている人間相手に「話し合おう」と私は思わない。
話し合いをせずに「モラハラを誘発する言動」を取るほうにも確かに非はあるのだろう。
では、なぜそんな言動をとるのか。
それは相手が「聞く耳を持たない」「変わる努力をしない」からだ。
立場が対等ではないため、「自分の主張に自信が持てない」からだ。
こうして文章にしてみると、ブーメランなのかと思う。
自業自得なのかな、とも。
それでも、「モラハラされるほうも悪い」「どっちもどっち」な結論には、モヤモヤせずにはいられない自分がいる。