日々、思うこと、考えること。

子育て中に、考えてしまうあれこれ。結論の出ない、個人的で偏った見解の考察が主です。

子供の入院の付き添いについて考える。

 子度の入院の付き添いについて、とても興味深いエントリーがを見つけた。

子供入院の際の「男性の付き添いを(安全性の問題から)断ることへの是非」について、掘り下げて考察されている。

我が家も、一か月ほど前、小1の上の娘が扁桃腺肥大のための切除手術をし、10日入院を経験している。その際私も付き添いをした。

もっとも、24時間ずっと娘と一緒だったわけではない。幸い病院と自宅までが車で5分の好条件も手伝って、日に2度3度と自宅に帰りはした。ただ、病院を往復する慌ただしい毎日ではあった。

 

この話は、個人的には「男性が付き添いできない」だけが問題ではないと考えている。

 

目次

 

入院の際の条件

まず、投稿者の子供が入院した病院の場合、付き添いの基本条件として

 ・基本的には2親等が望ましい

・付き添いは原則1人まで(個室でも1人)

「他の利用者の安心のため」大部屋の夜間付き添いは女性のみ

・個室の夜間付き添いは男性も可(室料数万)

 

が挙げられている。

娘が入院していた病院では、

  • 基本的に女性の(母親)付き添いがの望ましい
  • 付き添いの人数は不明
  • 日中の付き添いや見舞いであれば男性も可能
  • 小児病棟に関しては、面会時間外であっても、消灯時間外であれば付き添いは可能
  • 夜間の付き添いは、要相談で個室であれ男性も可能
  • 大部屋であっても、同室に他の患児がいない場合は要相談で男性の付き添いの可能性がある
  • 個室は有料(値段は忘れました)

とされている。

また付随するルールや条件として

  • 平日の日中(9時から5時)は保育士が一人常駐
  • プレイルーム(おもちゃや本、漫画、DVDが利用できる)があり、点滴が抜けた患児、もしくは担当医から許可が下りた患児は利用可能
  • 週一回、移動図書館(ボランティア)の訪問がある
  • 付き添いの保護者には食事は出ない
  • 申し出れば有料で、簡易ベットが借りられる
  • 簡易ベットを借りない場合は、患児と同じベットで添い寝
  • 付き添いの保護者も病棟内のシャワーが借りられる(20時までの予約制)
  • 個室には、個別のトイレもシャワー室もない
  • 小児病棟には小学生6年生以下は入室できない(感染病予防のため)

などがああった。

もっとも、娘が入院した病院では、看護師さんの対応もとてもよく、付き添いの保護者も、食事やトイレは勿論のこと、その他自宅に帰る用事があれば、理解を示し快く送り出してくれた。

 

 

付き添いの必要性

娘が入院した病院も「完全看護」を謳っている。

表向きは、「付き添いは基本いりませんよ。」とのスタンスだ。

けれども現実は、子供は親を必要としている。体が弱り、慣れない病院生活を強いられるのだから、なおさらだ。

故に、「出来れば付き添いをお願いします」となる。

 

とは言え、

  • 長期の入院
  • シングル家庭
  • 兄弟の世話
  • 仕事
  • 親の体調不良

等の理由で付き添いができないケースも当然出てくる。

その場合、必要最低限のケアは看護師が代行する。看護師の業務の中にも「日常生活の支援」が含まれるからだ。

 

けれども、現実は人員の関係上全ての患児の入院生活を、付き添いなしで完結するのは不可能だ。

病院側は、「親の付き添いありき」で患児の入院を想定しているきらいがある。

そこに、この「子供の入院の付き添い問題」の問題点が集約されているように、私には思えてならない。

表向きは「完全看護」を謳っている故に、付き添い保護者への配慮に欠けるのだ。

そもそも、完全看護を謳っている割には、

  • 日中、夜間問わず、看護師の人員が絶対的に足りていない。
  • 保育士も平日の日中しかいない。
  • 子供の話し相手、遊び相手をするほど、看護師に余裕がない。
  • 夜間、「ママー」と泣き叫ぶ子供が必ずいるが、すぐさまケアに向かわない。向かえない。

のが現状だ。

にもかかわらず、表向きは「付き添いは不要」を謳っている。だからこそ起こる矛盾なのだ。

おまけに、付き添いがある患児と、付き添いがない患児とでは、かかる医療費は変わらないのだから、話がまたややこしくなる。

 なぜなら、付き添いの保護者の役割は、精神的なサポート(傍にいるだけで、子供に安心感を与える)だけではない。

娘の場合、

  • 点滴中のトイレの付き添い(点滴中は、その影響で夜中に3回ほど起こされた。これが地味につらかった)
  • トレイの回数を紙に書きだし、カウントする(体調管理にとても重要、らしい)
  • 体の清拭
  • シャワーの介助
  • 歯磨き、食事中の声掛け(病院食は食が進まず、励ましたり脅しつけたりと大変だった)
  • 薬をきちんと飲ませる
  • 体調に変化があれば、すぐさま看護師に伝える
  • 宿題のサポート
  • 話し相手、遊び相手

等があった。

付き添いの保護者は、ただ単に「精神安定剤」としてボケーと付き添っているわけでは決してない。

見方を変えると、大げさかもしれないが、「看護師の負担を多少ではあるが減らしている」側面すらあるのだ。

その事実を、病院側はどう見ているのか、非常に気になる。

 

 

付き添いは何歳から不要か?? 

さて、ネットで検索してみると、一部「小学生からは付き添いは不要」との意見の人がいる、らしい。

とは言え、現実は「子供による」のが正解だ。

生活が自立している子供でも、子供が納得しなければ、付き添いは必要だ。

娘の場合、初めての経験である手術とそれに伴う麻酔、慣れない入院生活、食が進まない病院食と、非常にナーバスになっていた。

過保護かもしれないが、私は娘の付き添いをしてよかったと思っている。

 

 

なぜ、男性の付き添いが歓迎されないのか?? 

「安全上の問題」とされている点に、一部の男性異論があるようだ。

男性であるだけで、まるで犯罪者であるかのような扱いが不快なのだろう。

 ここで言う「安全」とは子供と女性にとっての主に性的な意味での安全だ。

 

個室であれば付き添い可能であるのは、

「大部屋より、個室の方が何かある可能性が低い」からだ。

 

犯罪という観点だけではない。快適性という意味でも、男性の目は重要だ。

病院という空間では、患児も付き添いの保護者もプライベートを曝け出さなければならない。

他人の、ましては男性に「ノーメイク姿」「寝顔」や「パジャマ、部屋着」などを見られることに、快く思わない女性は多い。

また、カーテン一枚隔てた向こうでの、「着替え」や「授乳」「搾乳」などに至っては、非常に強い抵抗を覚える女性が大多数だろう。

「何かなくても、嫌なものは嫌」は、男女平等の観点からは理解されがたいのかもし知れない。

ただ、「防犯」の意味では、「冤罪」や「勘違い」含めて、有効ではないだろうか、と個人的には思っている。

 

 

【余談】体験談、付き添いをしなかった夫。

これは私の夫に限っての話ではあるのだけれども。

10日間の入院中、公休日を含めて4計日夫は仕事を休んでいる。だが、泊まり込みはおろか、短時間の付き添いさえしなかった日もあった。

夫の見舞いと入れ替わりで私だけ自宅に帰った際の出来事だ。帰宅が遅れそうになり、昼食をコンビニで調達し病室でとるようにお願いしたところ、断られてしまった。

いわく、

「食べる気がしない」

とのことだった。

また、個室に移って夫に泊まり込んでほしいとお願いした際も、

「よく寝れない」

「病室から会社に行きたくない」

と断られてしまった。

女性ばかりの環境が、男性の出入りの極端に少ない環境が落ち着かない、 というのもあったのだろう。

 

付き添いの保護者の快適な生活を病院側に求めるのはお門違いなのだろう、とは私は思う。

ただ、入院が長期間になると、付き添いの負担も当然増える。付き添いの負担は、子供にも影響する。

だとするならば、付き添いの保護者の生活のクオリティーを上げるのは、強いては子供の心身の安定へと繋がるともいえる。

 

あながち、間違ってはいないのかもしれない。とは思う。

どこまで病院側に求めるのか、の線引きが難しいのだけれども。