「外出自粛」を支える人々。
連日コロナウィルスに関するニュースばかりがテレビや新聞紙面、ネットを賑わせている。
当初は日日々の感染者数に始まり、
- 専門識者の解説と警告
- コロナウィルスへの対処方法(手洗い、うがい、マスクの徹底)の啓蒙
- 海外の感染状況の説明
- 海外と日本の対応の比較
- 政府や各都道府県の対応の比較
- 休校処置に関する議論
等が主だったように思う。
しかし、最近は上記に加え、
- マスク・アルコール消毒液の不足と、代替え案の提案
- 「外出自粛」に関する解説と議論
- 政府の対応への批判
- 「緊急事態宣言」に関する議論
- 「緊急事態宣言」が国民生活に及ぼす影響に関する議論
- 「緊急事態宣言」に伴う政府の救済案に関する議論
が加わり、話題に事欠かない日々が続いている。
さて、「緊急事態宣言」の発令に伴い、該当都道府県に「外出自粛要請」が出されたが、この「外出自粛要請」が引き金となって(いやそれ以前にもすでにあったのだけれども)「コロナ差別」や「外出自粛による弊害」が改めて注目され始めた。
- 満員電ほ車等での咳への過剰反応
- 感染が確認された施設(病院、介護施設等)に勤める親を持つ子供への保育拒否
- 宅配業者へのユーザーからの心ない対応
等、連日のコロナ報道に紛れて、問題視されている。
加えて高校・中学校・小学校の休校処置延期の影響による親(特別母親)への負担増、良人のテレワーク、リモートワークによる妻の負担増、も話題に上がるようになった。
皮肉なのは、コロナの影響によって業務量が増えている、負担が増している人々の多くが(当然すべてではない)、その負担増やリスクに見合った報酬を受け取っていないのみならず、十分なサポートもなく、おまけに「コロナ差別」なる差別を受けている現実だ。
実におかしな話である。
共働き家庭では、それぞれの親(子供にとっては祖父母)へサポートを求めるターンもあるらしい。
もちろん、祖父母への政府や両親の会社からの報酬や支援はない。
外出できないが故に通販の利用が増えれば、宅配業者や通販業者、もっと言えば現場の生産者の負担が増え、それに伴って感染リスクが増える。
リモートワーク・テレワークが増えても、業務に支障があるからと保育園利用の声が多数あれば保育園の休園に支障が出る可能性がある。
最低限、保育園でのひとり親家庭、医療関係者等の子供は、「福祉として」「コロナの感染拡大を防ぐため」必要不可欠だ。
そもそも、非正規であったり、正規ででも低賃金であったりする職種はリモートワーク・テレワークができない場合が多い。「三密」が避けられなくとも、生活のため「休業」や「欠勤」へのハードルは高いだろう。
私自身、2月から始めた仕事は、換気が十分に行き届いていると言えない倉庫内での軽作業だ。マスク着用の義務はあるが、業務上2メートル以内の距離(ソーシャルディスタンスと言うらしい)での会話も必要となってくる。そんな環境下に置かれてもなお、時給は低く、リモートワーク・テレワークは不可能だ。
「だったらどうしろと言うのだ」と問われたら、返す言葉もないのだけれども。
皮肉だなぁとつくづく思う。