男の子だとか、女の子だとか。
近頃の次女(4歳年少)の口癖は「私は男の子!!」「女の子じゃない!!」だ。
「かわいいね」と褒めると、なぜか怒る。
「男の子にだって、かわいいって言っていいんだよ」と伝えても、次女はなかなか納得はしてくれない。
特別、次女はキュロットスカートやパンツ付きのスカートに抵抗があるらしい。長女からのおさがりがたいていこのタイプなので、少し困っている。もっとも、強制はしていないけれども。
そのくせ、長女とおそろいのワンピースを喜んで着たりもする。
また、話の脈略なく「私は男の子!!女の子違う!!」と叫びだすこともある。
私は次女に対して「女の子なんだから」とか「女の子はこんなことしないよ」とかのジェンダーを意識した声掛けをしているわけではない。
次女の身近にいる大人である、夫や私の両親、夫の両親もこの手の発言は私の知る限りではしない。
次女の服や靴などの身の回りをモノを選ぶ際、極力次女の要望を聞き入れるようにはしているし、一緒に選ぶようにもしている。
もっとも、私が独断で選んだもに対して、今まで次女から「これは嫌だ!!」とごねられたこともないのだけれども。
とは言え、次女の身の回りのものは自然とピンクとか水色とかの淡い色あいのものが多い。服装も、「女の子らしい」柄やデザインのものが多い。長女や親戚からの洋服のおさがりも、その傾向は強い。
おまけに今次女が一番好きなキャラクターは「アナの雪の女王」だ。作品世界とデザインの関係上、グッズの多くは女の子向けの色やわらかで淡い合いやデザインが多い。
何をもって次女が「私は男の子!!」と主張しているのかはっきりとはわからない。
わからないけれども「私は男の子!!」と主張したくなる何かが、きっと次女なりにあるのだろう。私たちには理解できないだけで。
さて、次女の好みはさておいて。
多くの人は家族を含め他人の容姿や服装、持ち物に口出しするのを特別「悪いこと」だと思っていない。
「かわいいね」とか「素敵だね」とか「センスがいいね」とかの褒め言葉はもちろんのこと、「それかわいくないよ」とか「汚れているよ」とか「似合ってないよ」と言ったマイナスな言葉がけも、「悪いこと」ではなく「親切心」で口にしているケースが多々ある。
他人の容姿や服装、持ち物について「TPO」や「最低限の清潔感」について口出し、アドバイスをするのは、ありかなとは思う。
思うけれども、それさえも明確な線引きはなく、曖昧なものも多い。本人がその容姿や服装、持ち物に満足していれば、他人がとやかく言うべきではないも思う。
他人の容姿や服装、持ち物について皆が皆とやかく言う文化というか風習というか習慣がなくなれば、トランスジェンダーの人たちにとってもっと生きやすい世界になるのではないだろうか。
そんなことを、近頃の次女を見ているとつくづく思う今日この頃の私だ。