「夫がいないほうが楽」でよいのだろうか??
先日、夫に久しぶりに一泊二日の出張があった。
偶然にも、二日目は私は仕事、長女は小学校、しかも次女は幼稚園でかつお弁当ありだったため、ちょっと不安があり友人にその旨を話した際の友人とこんなやり取りがあった。
私が一番心配していたのは、次女の寝起きの悪さとそれに伴う家事や出勤準備等の遅れだ。ぐずると抱っこでないと布団から出ないし、朝食も進まず、着替えも渋るからだ。夫の助けがあってさえも、イライラし、時に不機嫌を丸出しにしてしまう私だ。夫の不在は私にとって十分な「不安要素」だった。
ただ、その際友人から返ってきた、「旦那がいないほうが楽じゃない??」にちょっと驚いてしまった。けれども友人の、畳みかけるような「旦那がいなくって、何が大変なの??具体的に言ってみて」との問いに、私は「確かに」と考えてしまった。
- 夫がいてくれると、次女がぐずったときに相手をしてくれる。
- 次女をトイレに連れて行ってくれる。
- 長女と次女の登校、登園前の検温をしてくれる。
のは、単純に嬉しいし助かっている。
けれども、「それ以上はないな」「それしかないな」と考えたら不安がふっと消えていってしまった。
むしろ、あわただしい時間に、夫の使用済みの皿と、水筒用の麦茶の入っていた冷水ボトルがシンクに放置されているのを見なくて済む分、気持ちは楽かもとさえ思えてしまった。
この「夫がいないほうが楽」とのセリフは、ネットでも現実世界でも割と聞くセリフだ。
私の母も、夫の出張を伝えた際「楽できていいじゃない」とは言わなかったが「大変だね」とも言わなかった。
私の母にとって、夫は家事・育児を積極的に手伝ってもらう存在ではないのだろう。故の、反応だったのだろう。
「楽か楽じゃないか」はあくまで私の主観だ。
世の中には「何もしていなくても、夫がいてくれるだけでよい」とする人もきっと大勢いるのだろう。
けれども、悲しいかな私はそういうタイプではない。
自分に余裕がないときは、目に見える手助けを私は必要としている。
皮肉だなと思う。
妻が「夫がいないほうが楽」と思えるのは、妻としてはとても好ましい状況だ。
なぜなら、妻が「夫がいないほうが楽」と思えるのは、妻が家事・育児を夫の手助けなし、もしくは多少の手助けのみで完結させていると言えるからだ。もっと言えば、妻が夫のためだけの家事や世話をしていると言えるからだ。
一方で、妻が「夫がいないほうが楽」と思えるのは、夫として、父親としてはとても好ましい状況では決してない。
なぜなら、妻が「夫がいないほうが楽」と思えるのは、夫が家事・育児に関与していない、もしくは積極的ではないと言えるからだ。もっと言えば、夫が妻に自分の世話をさせているとも言えるからだ。
もっとも、どこで「世話」と「家事」を線引きするのかは難しいところだけれども。
夫が出張から帰ってきた日は、私も仕事だった。だが、仕事からの帰宅時夫から連絡があり、駅まで迎えに行っている。夫の仕事が終わった時間は、私の仕事が終わった時間より若干早いぐらいだったが、夫は慣れない出張で疲れていたからか、いつものように「自分が夕食を作る」という選択肢を全く持たず、「荷物が増えるから」との理由で駅ビルでお弁当を買う選択肢も持たず、「妻である私が夕食を作る」のみを前提で話をしていた。
「夫がいないほうが楽」とは、日常にある、こういうちょっとしたやり取りの積み重ねから来ているのかもしれない。