緊急避妊薬の市販化で困るのは誰??
「緊急避妊薬の市販化」について、産婦人学会が改めて異議を唱えたニュースについて。
知識のない私には、「緊急避妊薬の市販化」は良いことづくめに思えるのだが、専門家にとっては違うらしい。
産婦人学会としては、
- 正しい情報(服薬する量やタイミング、副作用等)を伝えられないリスク
- 性教育が十分ではない現段階で、安易に「薬局で手に入る」状況は健全ではない現状
が反対の理由のようだ。
一見、もっともな理由ではあるが、前者は「販売時に口頭で薬剤師が説明する」ことで解決するし、後者は今後の学校教育のカリキュラムの改編で改善が可能だ。
前者の問題についても、産婦人かにかかった患者のすべてが医師の説明をしっかりと最初から最後まで聞き、しかも理解している保証はない。
性教育が十分になされたからと言って、いざと言うとき勇気ある判断と行動ができとも限らない。
個人的には「緊急避妊薬の悪用」が一番の問題なのかなと思っていたのだけれども。
先日読んだブログにあるこんな一文に、妙に納得してしまった私だ。
一部、女性の方でも薬局販売解禁に反対意見の人がいるのは、私もTwitterで見かけました。
反対意見の方は、緊急避妊薬に容易にアクセスできるとなると、逆にコンドーム等での避妊をしない男性が出てくるのではないか、という懸念を示されていたように記憶しています。
私は、そこについてはちょっと疑問で、確かにそういうロクデナシが増えると困るけれど、その手のロクデナシは多分現状でもロクでもない行為に出ているし、 それよりは現状で困っているような女性が助かる手段が増える方がいいような気がしています。
確かに、現状「避妊の拒否」「避妊の失敗を隠す」「その場限りの避妊を伴わない性交」をする男性はいるわけで。
妊娠発覚後、責任を全うすせず「中絶の強要(ソフトなお願いも含めて)」「連絡を絶つ」「別れや離婚を言い出す男性もいるわけで。
「責任は全うしたくないけれども、中絶を強要する勇気も、相手を傷つけ嫌われる勇気もない男性」が、緊急避妊薬を悪用しやすくなるというのはちょっと違うのかな、私は考えを改めた。
さて、タイトル通りだが、緊急避妊薬の市販化で困るのは誰なのだろうか??
緊急避妊薬の悪用で傷つく女性の増加は問題だ。
だが、一番困るのは「責任を全うするつもり(心変わりや環境の変化で、気持ちが変わる可能性があるのであえて表現です)の男性」ではないだろうか??
もっと言えば「責任を全うするつもりもないが、妊娠・出産で女性を支配したい男性」ではないだろうか??
産む産まないの決定権を女性が持つ意味。
それは、男性にとって「女性に産んでもらう」機械すなわち「自分の子供を持つ」機会が減ることを意味する。
その事実は、一部の男性にとって不都合なのかもしれない。
産婦人学会の会見の写真には女性は一切乗っていない。そういう意味なのかな、とつい勘繰りたくもなってしまう。