注射のある生活。
長女が成長ホルモンの注射を始めて、1年と数か月。
最初に主治医の先生から
「毎日親が注射(痛くはない。血も出ない。)をする」
と聞かされた時は、
「子供が嫌がったら。」
「毎日・・・・・・・。忘れたらどうしよう。」
「注射を失敗。」
と、不安でしかなかった。
けれども、今では長女自ら
「今日はお注射忘れないでねー」
と笑顔で私に声をかけるまでになった。
子供の順応力に、逆に驚かされる毎日だ。
長女にとって成長ホルモン注射は、
「日常」であり
「自分を成長させてくれる大切なお薬」
なのだ。
私にとっても、一連の注射の作業はルーチンワーク化されていて、今やストレスも負担感も全くない。
寝る前に歯を磨くのと同じ感覚だ。
興味深いのは、そんな長女を毎日見ている次女までもが、
「私のもお注射してー」
とお尻を出すようになったのだ。
そんな時は、注射を打つマネをしてやるのだが、そうすると次女はとてもうれしそうにするのだから、面白い。
毎晩お尻にするお注射は娘達にとって良い意味で「特別」なのだ。
もしかしたら、注射に限らず、定期的な通院や、日常的に子供に何らかの医療的処置が必要な子供や赤ちゃんは、親が声を大にして周囲に言わないだけで、存外いるのかもしれない。
最初は親も子供も戸惑うだろうし、不安もあるだろう。子供も嫌がるかもしれない。
けれども、続けていけば子供は案外すんなりと受け入れ、長女の様に慣れていくのではないだろうか。